「雲の峯　幾つ崩れて　月の山」な　トイレ

TDYリモデルスマイル作品コンテスト2017
「トイレ（住宅）部門」優秀賞受賞

施工前ポイント

旧東海道に面する兼業農家のT様邸。
古い母屋には外トイレしかありませんでした。
夜間や寒い冬は80歳を過ぎた母の用足しが毎度心配で深夜の物音で起きてしまうことも増えてきました。
若い世代も虫の季節は、刺されないよう一苦労です。
昼の作業中や帰宅時などは便利な外トイレですが、家での時間が多い人ほど不便で危険な場所になっていました。

ご提案

・お母さまの快適動線をよくする

・家族の好きなイメージを形にする

・イメージを大切にしながらも機能性を最優先に

施工後ポイント

・お母様の使い勝手
お部屋の真ん中にトイレを配置。部屋を出て3秒で便器です。
車いすでも大丈夫な広さと可動手すり、引戸もソフトクローズにし、安全性を確保します。

飾り棚の八角に飾るのは一輪挿しか俳句の色紙か。

・ご主人のイメージ
芸術と美術、和造りな物、月、雲、トイレとは関係ない事もいろいろ出てきましたが
好きな物をテーマにできるなら、お母様も好きな俳句とご主人の月に雲…雲の峯…
松尾芭蕉の「奥の細道」出羽三山にしたらどうかと考えました。
　　

・機能性
「雲の峯　幾つ崩れて　月の山」のイメージをそこなわない色使い。

お母さまの部屋の前に配置したことによって窓のない空間になったトイレを手洗いのカウンター下は収納＋山の演出と、照明を入れ地窓から陽が入る演出に。

照明は2段階に。演出用のスポット6個と地窓のLEDがセンサーで光ります。
お母さまが使う時や掃除の時などはswitchで主照明を足してもらいます。
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お客様の声

本当にありがたいです。夜ふと目が覚めてトイレに起きても、部屋の目の前にトイレが来てくれたので、すぐ布団に戻れるのが嬉しい。
前はトイレに行くとしばらく寝付けなくて困っていたからホントに極楽。
100歳まで生きないともったいない！とお母様。
T様ご夫妻も夜中の物音でお母さまの心配をしなくても良くなったからか、よく眠れるようになった気がすると笑います。

収納スペースもたくさん入るからペーパーや、いずれ必要になる物たちもすっきり収納できてトイレの事がトイレで収まることの便利さを実感しています。

母のことはもちろん、私の好きなものをイメージして作ってくれました。
「月に雲　華に風」いい時ばかりではない、戒めようという言葉や奥の細道の一句、母の俳句好き、妻が一輪挿しをあちこちに飾りたい…いろんな話を聞いて具現化していただきました。

あと、スイッチ・コンセント・照明器具や手すりの部品まで赤銅色に塗装してあったのが今まで見たことがなくて、こんなこともできるんだと感動しました。
後日、ご友人が「老舗料亭のトイレみたいだね、こんなの見たこと無いよ」と言って帰ったと嬉しそうに話されていました。

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